『法華経』に学ぶ
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ゃっ富ふ楼る那なには法ほう明みょう如来、き憍ょう陳じん如にょをはじめ千二百人       『薬草喩品』釈尊の説法「三草二木の喩え」        ↓ ↓   先の『譬喩品』前半では智慧第一と称せられる舎『授記品』釈尊の説法「四大声聞への授記」               (授記段)さて、この章で成仏の保証、予言を授けられるのは「長者窮子の喩え」を述べた、迦葉、須菩提、迦旃延、目犍連の四人の仏弟子たちですが、この四人に記別を授けることが『授記品』の主眼です。利弗が「華け光こう如にょ来らい」という仏名を授かり、成仏の保証を受けていますから、これで五人の仏弟子たちが、成仏の保証を授かったことになります。 ところで、以降の章における仏弟子の授記を訊ねてみますと、第八章『五百弟子受記品』では、の仏弟子たちには、普ふ明みょう如来という仏名が授記さ       (領解段)       (述成段)れています。ちなみに憍陳如は、釈尊が出家を決意し城を出た際に、釈尊に付き従い行動を共にした五人(五比丘)の一人で、鹿野苑での初転法輪(初めての説法)を拝聴しています。第一章『序品』にはその名を阿あ若に憍きょう陳じん如にょと記されていますが、それは憍陳如が初転法輪を拝聴した五人の中でも特に理解が優れていたので、阿若=アニャー=よく領解した、と称讃されたところからこの敬称がついたといわれています。さて、つづく第九章『授学無学人記品』では、阿難(釈尊の従弟)や羅ら睺ご羅ら(釈尊の実子)、そして学人(学ぶべきことがある人)無学人(すべてを学び終えた人)の二千人の仏弟子が授記を授かっているのです。さらに第十二章『提婆達多品』では、悪人の代表ともいえる提婆達多(釈尊の従弟、阿難の兄)が、天王如来という仏名を授かり授記されていますし、同章の後半では、八歳の龍女が-129-

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