『法華経』に学ぶ
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たちは数が多く、その数はとても量り知ることができませんし、何かに喩えることもできません。また、数多くの菩薩たちも修行に励んでいます。ところで、名相如来の寿命は十二小劫という想像すらできない長さで、名相如来が入滅したのち正法時代は二十小劫、像法時代も二十小劫続きます。名相如来は、つねに虚空の中にあって、数多くの人々に教えを説いて、菩薩や声聞の人たちを導きます」釈尊は、須菩提に名相如来という仏名を与えられ、先に記別を受けた舎利弗や迦葉と同じく、如来の十号という仏の徳を称賛する称号も授けられたのです。そして、須菩提が名相如来として活躍する国土の素晴らしい様相も、説き明かして下さいました。その後、釈尊は重ねて四十八句、十二偈の詩句をお説きになられ、須菩提に与えられた記別について再説なさいました。 次に記別を授けられたのは、迦旃延です。迦旃延は法門の解説が巧みで、誰よりも論議に秀でた才能をもち、布教の最前線で既成教団との問答に臨んだところから、論議第一と称せられるようになりました。須菩提に記別を授け終えられた釈尊は、大勢の仏弟子に語られました。「ここにいる迦旃延は、つぎの世において八千億もの仏に、さまざまに供養を捧げてお仕えし、敬いの念を捧げます。そして、その仏が入滅した後には、その仏たちのために見事な宝で飾り立てられた、天にも届くようなそびえたつ塔を建て、花を飾り香を焚き、そして幡を立てて供養をつづけるでしょう。その後も迦旃延は、二万億の仏に対しても同様の供養を捧げるのです。 そして、その供養を終えたのちに菩薩としてのあり方を体得して、仏となることが適うでしょう。その名を閻えん浮ぶ那な提だい金光如来といいます。その仏は如来の十号を具えています。-137-    

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