『法華経』に学ぶ
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緯、すなわち起顕竟の「起」から「顕」の流れを示し、一代の肝心、一経の肝心たる『寿量品』に明かされた法門「久遠実成」=「如来秘密之力」=「三身常住 「良医治子喩」の流れを確認しますと、本心を失った子供たちは「あなた方のお父さんは旅先で死去しました」という使者の言葉を聞いて、まず自己反省、自己認識をします。そして本心を取り戻し服薬します。この順序と「本心とは何か」そして「薬とは何か」を弁えなければ「良医治子喩」が正しく学べませんから留意すべきと思います。①の図表中『妙法蓮華経如来寿(命無)量品』と「命」と「無」を捕捉しています。経題を説明するうえで、この二文字を捕捉し、妙法蓮華経に説かれた如来の「寿命が無量」 と示すと理解の一助となります。 ところで余談ですが、日蓮宗で要品といえば、序品・方便品・提婆品・寿量品・神力品・嘱累品、三世益物」を図解しました。そして八之巻です。大聖人に、現行流通している要品をお見せすると「法師品、宝塔品、勧持品が神通入ってないぞ。涌出品や分別功徳品まで無いのか。これじゃ『寿量品の一品二半は始めより終りに至るまで正しく滅後の衆生の為なり』と教えた一品二半が揃わないぞ。おやおや修行の肝心と教えた不軽品まで省いたのか」そんなお叱りを受けそうな気がしてなりません。そんなことから私は、立正安国論奏進七百五十    降誕八百年を契機に、宗門として「起顕竟を要品年に「妙法蓮華経起顕竟」というお経本を作成し有縁各聖に配布致しましたが、このたび迎えるごと定める」というのはいかがでしょう。大聖人ご降誕の意義、教えや思想は起顕竟を中心に明かされていますから、まさに「要品」に、さらには「ご降誕八百年慶讃」にふさわしいと思いますし、大聖人もきっとご嘉賞下さることでしょう。宗門要路の各聖には、是非ご一考頂きたいと存じます。-159-

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