『法華経』に学ぶ
31/188

 ゅょ  ょ品ぽん』まで続くのです。これを「二に処しょ(霊鷲山、虚空)三さん会え(前霊山会、虚空会、後霊山会)」といいます。属ぞく(お供)。 『法華経』の会座に集まった人々を総称して「同聞衆」といい、それは左記の三つに分類されます。①声聞衆修行を完成し悟りに到達した一万二千人の男性の出家者(比丘)。経文には舎利弗、目連、迦か葉しう、須しゅ菩ぼ提だい、阿難、羅ら睺ご羅ら(釈尊の実子)等二十一人の名前が見られます。学ぶべきものが無くなった「無学」の修行者、いまだ学ぶべきものが有る「有う学がく」の修行者たち二千人。釈尊の生母である摩耶夫人の妹で、摩耶夫人亡き後、釈尊の養母となった摩ま訶か波は闍じゃ波は提だいをはじめとする六千人の女性の出家者(比丘尼)。釈尊の太子時代の妃である耶や輸しゅ陀だ羅ら比び丘く尼にとその眷けん②菩薩衆 「菩薩摩訶薩八万人あり」と経文にあり、文殊師利菩薩、観世音菩薩、薬王菩薩、弥勒菩薩等十八人の名前が見られます。「菩薩」とは「菩ぼ提だい薩さっ埵た」の略語で、菩提とは智慧、悟りという意味があり「薩埵」とは、有う情じう(生命の宿るすべて)という意味です。ここでは人を指しますから、他者を導きつつ仏の悟りに向かう修行者ということです。また「摩訶薩」とは「大士」と訳されますから、「類い稀な偉大なる修行者」ということです。③雑ざっ衆しう 雑然としている意味ではなく、多くの人が集まっているという意味です。人間以外の天上界の帝釈天等の神々と二万人の眷属。娑婆世界を統括する梵天王。天龍八部衆といわれる龍神王、仏法を守護する様々な神々や鬼神たち。そして、マガダ国の阿闍世王とその多くの眷属。 これら無数の聴衆は、各々に釈尊のみ足を頭に頂戴し、最上の礼拝をしたのちに自席につき『法華経』説法の始まりを待つのです。-23-

元のページ  ../index.html#31

このブックを見る