『法華経』に学ぶ
77/188

意味があります。その国土はまことに清らかで、さまざまな飾り物がなされています。また平和で実り多き豊かな国土で、多くの神々がそこには集います。地面には青色に光り輝く瑠る璃り(ラピスラズリ)が敷き詰められていて、道は黄金の縄で区切られています。その道沿いには七宝でできた街路樹が並び、四季を問わずに花を咲かせ果実がなっています。このような素晴らしい世界で、華光如来は真実に至るための説法を、三乗(三つの乗り物)という説き方で、生きとし生けるものすべてに導きを垂れるのです。この華光如来が出現する時代を大きな宝で飾られた時代、すなわち大だい宝ほう荘しょう厳ごんといいます。大宝とは菩薩のことです。 この仏国土に住む菩薩の数は量り知れません。その数は仏の智慧でなければ到底知ることはできません。菩薩たちは如来の智慧を求めて修行を怠らず、大いなる神通力を身につけています。ありとあらゆる法門(教え)を修め知りつくし、穏やかで素直な性格です。また志は固く揺るぎないものです。そのような菩薩たちがこの国には充満しているのです。華光如来の寿命は十二小劫(量り知れない時)で、その寿命が尽きようとするときに、数ある弟子のうち賢けん満まん菩ぼ薩さつに記き(成仏の保証、認可)を授けてこの世を去ります。華光如来が入滅(亡くなられて)の後、正法と     いう想像を超える長きにわたり維持されます。まいう時代、すなわち正しい教えと修行が行われ、正しく悟りを得る者がいる時代は、三十二小劫とた像法という、正しい教えと修行が実践される時代も三十二小劫続きます。」 ついに釈尊は舎利弗に授記(成仏の保証)を授けられました。舎利弗はこの先、想像を絶する期間を経たのちに、成仏するというのです。舎利弗-69-

元のページ  ../index.html#77

このブックを見る