『法華経』に学ぶ
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①  「応おう供ぐ」供養に応ずるにふさわしい。②  「し正ょう徧へん知ち」ありとあらゆる事象を正しく見極③  「み明ょう行ぎょう足そく」智慧を具え、それに基づき行動④  「善ぜん逝ぜい」迷いの此岸より悟りの彼岸へ到達。⑤  「世せ間けん解げ」世間の人々の性格や能力をよく知⑥  「無む上じょう士じ」この上なき最上。⑦  「じ調ょう御ご丈じょう夫ぶ」人々を正しく教え調え導く。⑧  「天てん人にん師し」天の神々をはじめ、生きとし生けるに与えられた仏名は華光如来といい、華光とは紅蓮(赤い蓮華)の光を放つという意味で、如来とは修行をすべて全うした人、すなわち仏を意味します。釈尊は、さらに続けて「如来の十号」といわれる仏の徳を称賛する称号十種を付加なさいました。すなわち、める。する。り、導きを垂れ救済する。⑨  「仏ぶつ」三世(過去、現在、未来)のありとあら⑩  「世尊」素晴らしい徳を具え、世間の人々からすべての師匠。ゆる事象を覚知。最も尊ばれる。と授記なさったのです。さて、釈尊は単に華光如来という仏名をお授け    になられただけではありません。舎利弗が将来、華光如来となって教化活動をする離垢という国の名前、その国のようす、そして華光如来となって出現する時代や寿命、さらには弟子のこと、またその教え(正法=正しい教え)が存続する期間などを具体的にお示しになり授記なされたのです。ところで授記は記き別べつ、記き莂べつとも記されますが、「記」とは釈尊が仏弟子に対して成仏を認可する、保証をするということです。そして「別」「莂」とは先述のように、具体的に成仏の時期や仏名、そしてその国土の名前や寿命、弟子などを区分して示すことを意味します。-70-

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