三大秘宝について「本尊 戒壇 題目」
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「本尊、戒壇、題目」と書するべきではないでしょうか。日蓮大聖人がそのように御示しになられておられるのですから、これに従う必要があります。私達の勝手で、その順序を変えて列記することは許されない、と思うのです。 『宗義大綱』や『宗義大綱読本』等の解説のように「本尊」「題目」「戒壇」の順で列記されるのは『三大秘法禀承事』のみです。御承知の通り『三大秘法禀承事』は、未だ真偽が定まらず、これをもって三大秘法を論ずることは危険があるように思います。当然のことですが、三大秘法に限らず、日蓮大聖人の重要教学を語るときは、先ず『立正安國論』『開目抄』『本尊抄』『撰時抄』『報恩抄』、つまり五大部ですね。これを筆頭に、御真筆遺文に拠ることが第一義です。さらにその中でも、教義書なのか、消息文なのか。消息文は随他意の場合がありますから、日蓮大聖人の随自意を語られたご妙判と、矛盾するものがありますね。ですから、用いる時には注意が必要です。また、佐前のご妙判なのか、佐後のご妙判なのかも注意が必要です。『三沢抄』には「法門の事はさどの国へながされ候し已前の法門は、ただ仏の爾前の経とをぼしめせ」との注意がありますね。『十章抄』に「爾前は迹門の依義判文、迹門は本門の依義判文なり。但真実の依文判義は本門に限べし。」と法華経を理解する上でのご指摘がありますが、ご妙判を理解するにも注意が必要だと思います。佐前のご妙判は、佐後のご妙判をもって、なかでも『本尊抄』『開目抄』をもって解説すべきだと思います。ご真筆も真偽未決遺文も、更には、 10

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