三大秘宝について「本尊 戒壇 題目」
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「本門の本尊」門だということです。注意深く読みますと「末法のために仏留置給」とありますから、弘通するもなにも、仏が末法のために止め置かれたわけですから、正像時代には登場しない法門なんです。この法門を弘通するのは、時は末法、人は本化ということです。末法において、本化が初めて弘めたもう法門なんですね。続いて「求云、其形貌如何。答云、一は日本乃至一閻浮提一同に本門の教主釈尊を本尊とすべし。所謂宝塔の内の釈迦多宝、外の諸仏、並に上行等の四菩薩脇士となるべし。二には本門の戒壇。三には日本乃至漢土月氏一閻浮提に人ごとに有智無智をきらはず、一同に他事をすてて南無妙法蓮華経と唱べし。」とあり、ここに「本尊」「戒壇」「題目」と三大秘法が出てきます。まず初めに「本門の本尊」からお話を致します。「日本乃至一閻浮提一同に本門の教主釈尊を本尊とすべし」とあります。「日本乃至一閻浮提」とは、全世界ですね。全世界の人々が、この本門の教主釈尊を本尊としなければならない、信仰の対象としなければならない、と断定を下されています。 「本門の教主釈尊」とあります。御承知の通り仏には、本仏と迹仏とがありますね。『序品』から『安楽行品』迄は、印度応現の釈迦如来、釈迦牟尼仏のお姿です。三十成道・八十入滅というお姿ですね。これを迹仏と呼びます。法華経の流れを見ますと、釈尊の久遠開顕に先駆けて、お弟子の久遠が明かされます。『従地涌出  15

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