三大秘宝について「本尊 戒壇 題目」
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平成二十五年六月二十五日、日蓮宗興統法縁山梨正法寺大会に於て「三大秘法について」と題し、村尾泰孝師による記念講演がありました。三大秘法とは「本門の本尊」「本門の戒壇」「本門の題目」の三つを指します。これは日蓮宗の宗旨であり、僧俗を問わず周知すべき教えであります。講演要旨は『興統』三十四号に掲載されました。講演から活字化に至るまで、村尾泰孝師にはひとかたならぬ御教示を賜りました。篤く御礼申し上げます。村尾泰孝師はよく、御自身を謙遜して「私はシロウトだから」と仰います。私は学者ではない、という意味だと思いますが、学者でなければ日蓮大聖人の教えを語る資格がないと認識するのは間違いです。しかしまた、学問的根拠をもたず、大聖人の教えを歪曲することは、慎むべきことであります。本文を読んでいただければ闡明な通り、村尾泰孝師は宗祖に対し深く畏敬の念をいだいています。一文一句に神経を張り巡らし、慎重に言葉を撰んでいます。おそらく、説法の功徳よりも、謗法の罪を怖れるからでありましょう。我が宗門において、三大秘法という宗旨について問われた時、明解な回答が得られることは稀です。       1はしがき

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