三大秘宝について「本尊 戒壇 題目」
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景には『三大秘法抄』正確にいえば『三大秘法稟承事』ですが、これがあるんじゃないかなと思います。戒壇の説明につきまして、日蓮大聖人が具体的に説明なされておりますのは『三大秘法抄』のみです。「戒壇とは王法仏法に冥し、仏法王法に合して王臣一同に本門の三大秘密の法を持ちて、有徳王覚徳比丘のその乃往を末法濁悪の未来に移さん時、勅宣並びに御教書を申し下して、霊山浄土に似たらん最勝の地を尋ねて、戒壇を建立すべきものか。時を待つべきのみ。事の戒法と申すはこれなり。三国並に一閻浮提の人懺悔滅罪の戒法のみならず、大梵天王帝釈等も来下して踏み給うべき戒壇なり。」と、他のご妙判には見られない、非常に具体的に説明をされています。他の御妙判では、戒壇について説明をなされておりません。『報恩抄』を読みましても「二には本門の戒壇」これだけです。「戒壇」と仰るだけで、後は何の説明もないんですね。先ほども申しましたけれど、日蓮大聖人からすれば「くはしく申たれども」ですが、私たちは「愚人は知り難し」で、迷っているだけかも知れませんね。 『三大秘法抄』をご真筆として扱う方は、戒壇建立は我々の願い、悲願なんだという説明をされるわけですよ。『三大秘法抄』には「勅宣並びに御教書を申し下して」とありますが「勅宣」は朝廷ですね。「御教書」は幕府です。この両者の許可と申しましょうか、認可と申しましょうか、これがなければ、戒壇は弘通、建立できないんでしょうか。日蓮大聖人は本当にそのようにお考えだったので43

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