三大秘宝について「本尊 戒壇 題目」
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「本門三段」と数えれば「五重三段」になるんですね。そして最後が、「本法三段」。この「四種三段」の法門からお題目が導き出されます。「本法三段」は、「法界三段」「文底三段」とも言います。先ほどの「五重相対」では、取勝捨劣と言いましたが、こちらは、序正流通、序正分別。つまり、正宗分は何か、中心は何か、ということです。ですから統合宗教学とも言えるでしょう。さらに「相対法門」ではなく「絶対法門」になるということです。一代三段の正宗分は『法華経』、十巻三段の正宗分は『方便品』から『分別功徳品』の前半、迹門三段の正宗分は『方便品』から『人記品』、本門三段の正宗分は『涌出品』後半と『寿量品』そして『分別功徳品』前半、つまりは、一品二半ですね。そして最後の本法三段は「文底寿量」つまり、お題目となります。本法三段を明かしたこの箇所の後を読んでいくと「内証の寿量品」或いは「寿量品の肝心たる妙法蓮華経の五字」とありますから、これは文上の寿量品を指すのでは無くて、文の底に沈めた妙法五字、お題目を指していることが解ります。更に、この本法三段の正宗分を明かす段を注意深く読みますと「寿量の序分也」とあります。「寿量品の序分」と仰ってないんですね。「品」という字を省いて「寿量の序分」とされているんです。  このことについては、もう十年以上前ですが、大阪に浅井円道先生をお迎えして『本尊抄』の講義をお願いしました時に「寿量品と言わずに、寿量と仰る時は、文底の寿量品、お題目を指すんだ。」と仰っておられました。当然と言えば当然なんで55

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