2023(令和5)年度 授業アンケートⅣ.アンケート集計結果と分析12【結果の概要・分析】 立正大学「授業改善アンケート」は、開講授業の実態を把握し、その改善を目的として実施されている。令和5年度は、従前どおり「学生」、「授業内容・方法」、「理解・満足」の3群12項目と、「自由記述」について回答を求めた。ここでは前者について分析する。 アンケートはWeb方式で実施され、全学の回答率(表1)は1期52.5%、2期46.4%となり、昨年と比べて1期で4.6ポイント、2期で4.1ポイント減少した。学年が上がるほど低下する傾向がある。教員の学部・学科別にみると1期は34.6~71.3%、2期は24.5~65.8%の範囲で分布しており、学部・学科間のバラツキが大きい状態が続いている。回答率は満足できる水準にはなく、アンケートの実施方法や実施時期などに引き続き改善の努力が必要と考えられる。とくに回収率の低い学部・学科に対しては回答率向上の努力を期待する。 「学生」:(Q1)授業履修の理由(表5)は「この授業に興味関心があったから」が最も多く(必修で約45%、必修以外で約50%)、必修では「自分の専門分野に関係が深い分野だから」が続く(約30%)。しかし、必修以外では1期・2期とも「時間割の都合から」という回答が20%以上あり、「自分の専門分野に関係が深い分野だから」の約15%より高かった。複数選択できる質問であるため、副次的な理由であるケースも含まれていると思われるが、学生にとっては受講しやすい時間帯に開講されていることも科目選択の重要な要因になっていることから、各学部学科のカリキュラム上重要な科目については授業時間割編成にも配慮する必要があるだろう。 (Q2)受講率(表4-1)について、「90%以上」と答えた学生は1期・2期ともに7割を超え、「70~89%」を含めると両期とも95%以上になる。いずれも例年並みであり、アンケート回答者に関して言えば、受講状況はきわめて良好である。 (Q3)の授業への取り組み(表4-2)では、「積極的に取り組んだ」が1期47.8%、2期50.1%で、これに「ある程度取り組んだ」を加えると両期とも約90%となる。この数値はコロナ禍でオンライン授業が実施された2020年度に大きく上昇し、今年度もそのままの高水準を維持している。 (Q4)の授業外学修(表4-3)は、「全くしていない」が1期16.6%、2期17.8%であった。この数値は2019年度から2022年度にかけて約39%、15%、17%、24%と変化し、コロナ禍の2020年度に大きく減少したものの、その後は増加に転じてコロナ前の状態に戻りつつあったが、今年度は減少した。また、「全くしていない」を含む1時間未満の学生比率は2019年度以降約87%、71%、73%、80%と同様な変動を示していたが、今年度は1期61.7%、2期64.3%と大きく減少した。当然のことながら、昨年度15%程度だった1~2時間の層が、今年度は1期26.1%、2期24.5%と10%近く増加し、昨年度1.5%程度だった3時間以上の学生についても今年度は約6%まで増加した。授業外学修時間の確保は長年の課題であり、今後もこのような望ましい変化が続くよう、努力を継続していく必要がある。 「授業内容・方法」:(Q5)の授業とシラバスとの関係(表4-4)では、1期・2期とも授業内容がシラバスに「沿っていた」が1期62.5%、2期65.3%で、「おおむね沿っていた」を合わせると両期とも約90%となり、昨年度同様に高い水準にある。シラバスを「読んでいない」学生が両期とも4%程度いる。この数字はこの数年の間、変化していない。 (Q6)の授業に対する先生の熱意や意欲(表4-5)では、「大いに感じられた」が1期68.1%、2期70.2%であり、「少し感じられた」を含めると両期とも90%を超える。また、(Q7)の先生の話大学全体
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