survey_2023
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Ⅳ.アンケート集計結果と分析2023(令和5)年度 授業アンケート13(表4-6)は「非常に聞き取りやすい」と「やや聞き取りやすい」とを合わせて1期82.0%、2期83.1%であった。(Q8)の板書やスライドの読みやすさ(表4-7)も「大変読みやすい」と「やや読みやすい」とを合わせて1期81.1%、2期82.1%で、いずれも昨年度並みで高水準を維持していた。 「理解・満足」:(Q10)の授業内容の理解度(表4-8)では、「大変よく理解できた」が4割を超え、「少し理解できた」を含めると1期86.2%、2期87.8%である。(Q11)の新たな知識や考え方の習得(表4-9)では、「大いに得られた」が1期54.4%、2期57.5%で、「少し得られた」を含めると両期とも90%を超える。いずれも昨年度並みで、理解度、成長実感ともに高水準を維持している。 最後に(Q12)の「総合的に判断してこの授業に満足しましたか」(表4-10)という設問では、「大いに満足した」が1期50.9%、2期54.5%で、「やや満足した」とを合わせて1期86.0%、2期87.7%となり、いずれも昨年度並みで、高水準を維持している。 授業改善への示唆:回収率が低く、強いサンプリング・バイアスがかかっていることが推測されるため、結果として示された数字については割引きして考察する必要がある。たとえば、(Q2)出席率では7割以上の学生から出席率90%以上(欠席1回以下)という回答が得られたが、必ずしもその数字が全体的傾向や実態を示しているとは考えられない。しかし、前年比や経年変化、クロス集計や相関分析によって、授業改善のためのヒントを見出すことは可能である。 まず、前年比や経年変化から見ると、今年度は(Q4)授業外学修時間に大きな改善が見られたことは特筆すべきであろう。特に授業外学修時間の改善は著しく、たとえば昨年度の1時間未満の学生比率は1期2期をあわせると、学年別に1年生約82.2%、2年生約81.3%、3年生約77.6%、4年生約81.7%であったが、今年度は1年生約64.9%、2年生約63.1%、3年生約59.6%、4年生約53.5%となり、特に4年生では約28%も減少した(表6-1)。このような変化が生じた理由については学部別分析に待たなければならないが、今後の推移が注目される。授業外学修時間と他の設問との関連についてクロス集計した結果を見ると(表9)、授業外学修時間が30分未満になると成長実感や満足度が低下する傾向にあり、授業評価を高める上で一定の授業外学修時間を確保することが重要である。ただし、授業外学修時間が「3時間~4時間未満」では満足度が低下することから.授業外学修の負担が大きすぎると逆に満足度を低下させてしまう恐れがあり、注意が必要である。 また、相関分析(表12)によると、満足度や成長実感は教員の熱意・意欲や授業の聞き取りやすさと強く関連していた。履修登録者数別の平均(表10)を見ると100人以上の大教室授業で昨年度より話の聞きやすさや文字の見やすさに改善が見られ、先生方の授業の工夫が評価にも反映されたものと推測される。 なお、相関分析の結果によれば、受講率と成長実感・満足度との間には弱い関連しか見られないが、受講率の分散が小さいことによると思われる。受講率と他の設問とのクロス集計の結果(表8)によれば、受講率が50%未満になると成長実感・満足度も大きく低下することが示されており、出席管理が重要なことは明らかである。

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